Lero Toy Delpiデルフィーの聖域

H.12.12.24    パルナソス山の懐深くに抱かれた地、プリスト峡谷の上の斜面に
         開かれた聖域。Delpiデルフィーの名はドルフィンの姿をして現れた
         アポロ・デルフィニス礼賛が移入された結果である。アルカイック期
         の母なる大地の息子蛇のピトロン信仰を祭るところとして神殿、競技
         場など多くの施設が建てられたが、Delpiデルフィーの真骨頂はアポ
         ロンのご神託で、トルコ、エジプトまで広く情報がここDelpiデルフィー
         に集中されることになったという事実で、その情報の豊かさがご神託
         の価値を高め、その結果政治的中心地としての地位を確かなものと
         した。                                     

         このDelpiデルフィーの地位はローマ帝国初期まで続くが、キリスト教
         が公認されるに至って、急速にその地位を失っていった。385年のテ
         シオドスによる異教弾圧がDelpiデルフィーの終焉といってよい。   

         Delpiデルフィー芸術の最も特徴的なアルカイック様式はエジプト芸
         術の影響を受けているとも言われている。そうした傾向はMikinaiミ
         ケーネにおけるThisavros ton Atreidonアトレウスの宝庫の多彩色
         に漆喰化粧された2層の柱からも想像し得る。            

Delpiデルフィーの町からIteaイトナの町やParnassosパルナソス山裾野を望む

                 
                             grek0030=イトナ遠景
                 
                           grek0031=パルナソス山裾野

Thisavros ton Athineonアテネ人の宝庫

 BC490年のマラトンの戦い直後に建設されたドーリア式小神庫。ケッラの正面部分
にのみ2本のドーリア式オーダーを持つ柱が建てられているイン・アンティス形式。
                 
                            grek0032=アテネ人の宝庫

Naos tou Apollonosアポロンの神殿

 BC373年に2回目のアポロン神殿が地震で倒壊した後、BC369年頃に建築家クセ
ノドロスとアガトンによって同じ設計で再建された。規模は正面32m6柱式、側面60m
柱15本のドーリア式神殿。柱は大理石で化粧された凝灰岩。              
                 
                            grek0033=アポロンの神殿
         

Theatron劇場

 Theatron劇場はBC4世紀に建てられたもので、ヘレニズム期とローマ期に改築。
丘の斜面にあった客席をイスケガオンと呼ばれる階段状の壁が支えている。   
                 
                           grek0034=デルフィーの劇場

Parnassosパルナソス山を背景としたギムサジウム練習場

         手前がギムサジウム、奥がMarmariaアテナの聖域。遠くにParnassos
         パルナソス山を望み、プリスト峡谷沿いにアテネの水道が見える。  
                          
                           grek0035=ギムサジウム遠景

Arahovaアラホバの町

         Arahovaアラホバの町はParnassosパルナソス山脈の峠を越えてThiva
         テーベを経由してAthensアテネへ通ずる美しいArahovaアラホバ街道
         として親しまれているという。Arahovaアラホバの町は、夏は避暑、冬
         はスキーの基地、クリスマスには休息地としてアテネの市民に親しま
         れている海抜900mの山間の小さな町である。こじんまりとした瀟洒な
         町である。                                   

                 
                             grek0036=アラホバの町
                 
                       grek0037=アラホバからパルナソス山

Delpiデルフィーの町を後にして

 13:40 、Arahovaアラホバの町を出発し、プリスト峡谷からParnassosパルナソス山
系の峠を越えてBrallosブラロス、Laminaラミナ経由でKalampakaカランバカへ。雪の
峠越えは充分に注意が必要。タイヤはノーマル。Laminaラミナまでは距離的にはた
いしたことはないが、思ったよりも時間がかかる。Brallosブラロスの教会堂は鉄筋
コンクリートで建設途中。                                 
                 
                             grek0038=プリスト峡谷
                 
                       grek0040=テッサリア平野南端を望む

 LaminaラミナからKalampakaカランバカへの道路は殆んど直線的で果てしがない。
周辺の民居は建物とは名ばかりの貧しさ。Domokosドモコスを過ぎた地点で鉄道と
交差。滅多に行き交うことのない列車と出あう。                     
                 
                             grek0039=雪の綿花畑
 Sofadesソファド近くになって漸く土の色と緑が・・・。                 
 車窓に拡がる耕地は一面の綿花畑。綿花の収穫は最盛期を過ぎているが、一部
に刈残しの畑も見られる。                               
 Trikalaトリカラの交差点近くにる教会堂の上にコウノトリの巣が。渡り鳥であるコウ
ノトリは、毎年同じ場所に帰ってくる。                         
                  Kalampakaカランバカ到着は18:00近く。Kalampaka
                  カランバカの町はクリスマスのイルミネーションに飾
                  られ、今日も店は開いている。
Kalampakaへ