ギリシア建築紀行

Peloponnisosペロポネソス半島

H.12.12.23    道程:Athens アテネ→Korinthosコリントス→Sofikonソフィコン→
            Palaiaパレア→Epidavrosエピダウロス→Nafplioナフプリオン→  
            Mikinaiミケーネ→Rionリオン→Antirrionアンチリオン→      
            Nafpaktosナフパクトス→Delpiデルフィー                

            MegaraメガラからLoutrakiロートラキにかけてのSaronikosサロ
            ニコス湾岸はAthensアテネの中産階級市民の別荘地として緑
            のオリーブの木の中に赤い屋根と白壁の瀟洒な家が点在する。

                 
                          greek3=コース案内

Kanali Korinthosコリンソス運河

 Saronikosサロニコス湾とKorinthiakosコリンシアコス湾を結ぶ運河で、ローマ時代
からの懸案であったこの運河の開削は1893年にフランスの民間会社によって行わ
れた。長さ6,343mという比較的短い運河であるが、その幅は僅か23mにしか過ぎ
ないことがこの運河開削の難しさを物語っている。                    

                 
                          grek0016=コリンソス運河

            Korinthosコリントスを出てPeloponnisosペロポネソス半島を
            Palaiaパレアに向けて南下。昨夜の雪でPeloponnisosペロポネ
            ソスの山々は薄化粧。                        

Korinthosコリントスの新築中別荘

                 
                          greek4=別荘

Sofikonソフィコン近くの丘の教会

 Sofikonソフィコン近くなって、オリーブの緑の中に小さな比丘に建てられたギリシア
正教会の教会堂。地区ごとにこのような小さな教会堂が建てられている。       

                 
                          greek5=丘の教会

            Sofikonソフィコンを過ぎて間もなくすると海岸線に出る。    
            眼下には幾つかの網を張った養魚場が見える。この近くの海岸
            線では魚の養殖が盛んであるという。              
            海岸線に沿ってPalaiaパレアへ。この町には診療施設が設けら 
            れ、嘗てEpidavrosエピダウロスへの治療に訪れる人々はここで
            上陸したと伝えられる。ここからEpidavrosエピダウロスへは、山
            道をまだ相当の距離ゆかねばならない。Epidavrosエピダウロス
            はベニディア山とカラニイ山の谷間に位置する。         

Epidavrosエピダウロス

         Epidavrosエピダウロスは医療の神Asklipionアスクレピオスの聖域とし
         て栄えた所である。アポロンの児Asklipionアスクレピオスは生後間もな
         く半人半馬のケンタウロスに預けられ、高度な医療技術を身に付けた
         といわれる。                                  

Archaion Theatron円形劇場

 BC330年頃の建設で建築家ポリクレイトスによる設計。客席は55段あり、14,000人
が収容可能という。オルケストラの部分も円形、客席断面は放物線状になっており、
響効果に大変優れている。貴賓席は赤い石灰石、一般席は白い石灰石で構成され
る。古代ギリシア建築のうちで往時の姿を完全な形で今日に伝える数少ない遺跡の
一つで、現在も夏になると週末二日間はフェスティバルとしてギリシア古典劇が上演
され、人気を博しているといわれる。                            

                 
                          grek0019=円形劇場1

                 
                          grek0020=円形劇場2

Katakogionカタゴギオン


 BC300年に建てられた160の巡礼者用宿泊施設と4つの中庭をもつ四角い建物。

                 
                          grek0021=カタゴギオン

Nafplioナフプリオン

         NafplioナフプリオンはArgolikos Kolposアルゴス湾に開かれた古代の
         Argolikosアルゴス地方の首都。                      

Froyrion tou Palamidiouパラミディの要塞

 1714年にベネツィア人によって築かれた要塞。Nafplioナフプリオンはベネツィアの
将兵に「東ローマ帝国のナポリ」と言わしめたほど美しい町。ここで生まれたコロコ
ロニスはギリシア独立戦争の折にこのFroyrion tou Palamidiouパラミディの要塞を
拠点としてトルコ軍と戦った。独立後の1829〜1834年にはギリシアの首都がNafplio
ナフプリオンに置かれたが、その土地の狭小さから1834年に首都はAthens アテネ
に移されることになった。                                   

                 
                          grek0022=パラミディの要塞

Froyrion tou Argosアルゴスの要塞

 ベネツィア人によって築かれた要塞の一つ。トルコ支配時代まで要塞として機能。

                 
                         grek0023=アルゴスの要塞

Mikinaiミケーネ

 BC2000年頃ギリシア北西部からArgolikosアルゴス地方に南下したミケーネ人が
クレタ文明を吸収。BC1600〜1500年頃最盛期を迎えるが、BC1200年頃には急
速に衰えて、その焼け跡からBC1100年頃滅亡。彼等の活躍はホロスの抒情詩
「イリアス」・「オデッセイア」の中でトロイ戦争などとして語られてきたが、その実態
は闇に閉ざされていた。1786年にドイツのシュリーマンが発掘に成功した城塞と
墳墓はBC1600〜1100年頃のもので、巨大な石によるこのもので、巨大な石によ
る構築を古代ギリシア人は巨人が積んだと考えて「巨人積み」と称した。     

Pyle ton Leonton獅子門

 城塞の正面に造られたビ式構造の石門。Π字型ビ式構造の門の上に△の石版
がおかれ、祭壇に前足をかけた2頭のライオンが描かれている。△の石版の周囲
の石積みは結果として迫持式アーチを構成している。Π字型門扉と△の組み合わ
せは王家の紋章であるという。                              

                 
                          grek0024=獅子門

Kyklikos Tafos円形墓地A

 1876年にシュリーマンが発掘したもの。高さ1.5mの石版と石積みの壁で二重に
囲まれた内側に設けられた竪穴式墳墓。                         

                 
                          grek0025=円形墓地A

Palati宮殿

 ギリシアのツンタスによって城塞の上部で発見されたもの。

                  
                        grek0026=ミケーネの宮殿

Thisavros ton Atreidonアトレウスの宝庫

 直径14.50m、高さ13.20mの石灰石によるソロス式(迫持式ドーム)墳墓。丘の
斜面を穿って造られた入り口の幅は6m、長さ13m。入り口は高さ5.40mのΠ字
型門扉の上に△型迫持式マグサが組み合わされて、そこには銅版の絵画彫刻
が嵌め込まれている。門の両サイドには多彩色に漆喰化粧された2層の柱が立
ち、ドーム天井には薔薇型の飾りが施されていた。                 

                 
                       grek0027=アトレウスの宝庫

 MikinaiミケーネからKorinthosコリントスを経由して、Saronikosサロニコス湾岸
沿いをRionリオンの港へ。途中、Diakoftonディアコクトスの近辺で山火事の跡が
ちらほら。夏には山火事が多発するという。Rionリオン到着は16:45。フェリーは
満載になり次第出航とのこと。その数は多い。ベネツィア人によって建設された
モレアの塞がある。これはAntirrionアンチリオンの塞と対をなす。17:45日没と
同時の出航となる。                                 

                 
                          grek0028=モレアの塞

                 
                       grek0029=Rionリオンの日没

 AntirrionアンチリオンからNafpaktosナフパクトスを経てDelpiデルフィーへ。
Nafpaktosナフパクトスは嘗てのレパントの港。                  

Delpiへ
Athensへ